仕事と呼べる提案を!

商品でもアイデアでも何でもいいですが、提案するとき「これは何か」というところが曖昧だったりすると、話がスムーズに進みません。「これは何か」がいえないと、提案内容のいの一番も説明できていない気にさせられますが、「これは何か」を説明すること自体が、微妙に、いやかなり困難極めることなわけです。大体が、自分という存在が何かさえ、説明するのに苦労するぐらいです。悩んだ挙句に自我をもつゆえに、過去を持つゆえに、実存するゆえに、一つの要素として・・・となってしまう。決して自分のことを知らないわけじゃあなくても、説明は難しい。


説明のための方法論としては相対化が分かりやすいので、従来の技術に比べてここが新しいとか、需要に対して不足している供給をつくれるとか、だからこれやりましょうとか提案してみちゃうわけです。しかし問題は、○○に比べて・・といっているのが、言っている人の知識やら情報の中での話にすぎないというところです。本当にそうなの?というのはもう、言っている人の資質みたいなのを信じるしかない。一般論でいえば、一回の相対化は二元論的な話に過ぎず、数回にわたって相対化してみて初めて、そこに「何か」があることを証明できたということになる場合が多いでしょう。


デジタルなリソースをマネジメントする分野において音楽配信の成功という誰もが知る成功があって、社内でもなんか真似できないかなあみたいな提案がここ数年ずっとされてきました。でもどの提案もまとまった話にはならなかった。世の中では個人作品のコンテンツでお金を取れるようなことになったり、電子書籍もかなり大きな波になっている様子です。そういうのうちでも前から検討していたよなんていってみるのですが、検討したことで「何か」が生まれていなければあんまり意味がないわけですよね。商品なら勿論、提案レベルでもいい。「これはこれだ」といえるものが作れてはじめて、仕事と呼べるものが存在したことを証明できると思わずにはおれません。アウトプットの水準管理の一つの指標として、「これは何か」をいわせることは結構大事だなあという話でした。
*今回の話は、一言で簡潔にいうということではありません。
*「これは何か」=本質、と捉えられるかもしれませんが、そこまで敷居が高いものではないと思っています。
*これがこれであることを、最低二人の人間が認識できればそこには実在する何かが・・ってもうやめときます(笑)。