好きな言葉(スロウデス)

スロウデスって言葉がかなり好きです。緩慢な死、ですね。緩慢っていうのは時間軸を主観的に見ている表現です。ある人からみればゆっくり起こっていることでも、別の人から見たら突発したようなことだったり。死を遅いものだと思いたい生き物のサガをとてもシンプルに表現した言葉だと思います。体は時間に支配されています。心は時間に支配されそうになります。時間の支配に打ち勝ち緩慢な死までの時間を楽しく過ごすことができたら、幸福な人生といえるのでしょうか?その辺の問題だと思います。


成熟して枯れてイノベーションのイの字もなさそうな産業の人が、もうだめだよな何か新しいことやらなきゃな、といいながら何もせずぐだぐだと生き長らえ、いざ死に直面するとずるいことをして一秒でも長く生きようとする。成熟期〜衰退期にかけて最も実益があがるのが、ビジネスの一般論だから死ぬまでの長い時間を謳歌するのが経済合理性に適った投資回収手段です。もうやらなきゃだめだと一念発起、すべてのリソースを仕掛けて新しい事業を立ち上げ、その結果早い死を迎える。新規事業の成功確率はものによりますが大体10%以下というのが、ビジネスの一般論だから、基本的に新規事業の立ち上げに一かばちかというのはありえない。


どちらかを選ばなきゃいけなくなったとき、スロウデスにどう打ち勝つか。楽しく死を待つ心境だけが解答ではないと思いたいわけですが、さて。