ヒーローというロールモデル

封神演義(漫画)みてて、太公望って草食系のヒーローだなあと思ったりしてました。子供のころにあこがれたヒーロー像は、こういう人間こそが格好いいという読者のロールモデルに少なからずなりますよねぇ。太公望のようなやりたいことがあればとことんやるがそうでなければ風の向くまま的な生き方をクールでスマートと捉えるのは、草食系といわれる最近の若者に通ずるところがあるなあと思った次第です。こういうクールな草食系人材は、実際仕事で同僚になると悪くいえば理屈ばかりこねて現実の問題にぶつかっていかないとか負ける戦はしないとか、どうも使いにくい人間なんで大人は嫌がりますけどね。あ、漫画が若者を腐らせているとかいうことを思ったわけではないです。作家はある意味で歴史の道標ですが、作家を道標として認めるかは読者の判断に依るわけで、うーん、要は作家のせいではない。漫画しか読まずに思想形成しがちな人が多い社会の構造が良くはないですけどね。(でも村上春樹や寺山修二読んでも草食系な人たちが増えそうなのは微妙だし、経済学や社会学の古典を読んでもやっぱり草食系が増えそうな気がするのですが)

ジャンプのヒーローのキャラクターがある時期に変わったっていうはなしがあって、95年ごろまでのスラムダンク幽々白書ドラゴンボールの主人公のような一番強くて一番かっこよくてみたいなヒーロー像から、封神演義るろうに剣心、ワンピースの主人公は圧倒的な強さより圧倒的な優しさがずば抜けたキャラが支持されるようになったそうです。ドラゴンボールなんかの、どんどん強くなるのは良いけどどこまで強くなれば満足できるの的な強さのインフレは子供の間の話題にもなりましたね。子供のころに良いと思ったことを「内なる声」と考え、後生大事にする傾向は誰にでもあります。ルフィが人気者のうちは優しい子が多いんだろうか、次はどんな人気者が?・・などと休日ならでは、ボーっと考えてました。